154-参-内閣委員会-15号 平成14年07月16日

平成十四年七月十六日(火曜日)
   午前十時二分開会
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   委員の異動
 六月六日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     井上 吉夫君
     藤井 基之君     山崎 正昭君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     筆坂 秀世君
 七月一日
    辞任         補欠選任
     西銘順志郎君     桜井  新君
 七月二日
    辞任         補欠選任
     桜井  新君     西銘順志郎君
 七月三日
    辞任         補欠選任
     山根 隆治君     勝木 健司君
 七月四日
    辞任         補欠選任
     勝木 健司君     山根 隆治君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 泰介君
    理 事
                斉藤 滋宣君
                松村 龍二君
                森田 次夫君
                長谷川 清君
                吉川 春子君
    委 員
                上野 公成君
                亀井 郁夫君
                竹山  裕君
                西銘順志郎君
                山崎 正昭君
                岡崎トミ子君
                川橋 幸子君
                山根 隆治君
                白浜 一良君
                森本 晃司君
                島袋 宗康君
                田嶋 陽子君
                黒岩 宇洋君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (男女共同参画
       担当大臣)    福田 康夫君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    村井  仁君
       国務大臣
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
       国務大臣
       (科学技術政策
       担当大臣)    尾身 幸次君
   副大臣
       内閣府副大臣   熊代 昭彦君
       環境副大臣    山下 栄一君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        奥山 茂彦君
       内閣府大臣政務
       官        亀井 郁夫君
       農林水産大臣政
       務官       岩永 浩美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        舘野 忠男君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        江崎 芳雄君
       内閣府男女共同
       参画局長     坂東眞理子君
       警察庁生活安全
       局長       黒澤 正和君
       警察庁刑事局長  吉村 博人君
       総務省総合通信
       基盤局長     鍋倉 真一君
       法務大臣官房司
       法法制部長    寺田 逸郎君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高橋 恒一君
       外務省アジア大
       洋州局長     田中  均君
       外務省条約局長  海老原 紳君
       厚生労働大臣官
       房審議官     三沢  孝君
       厚生労働省医政
       局長       篠崎 英夫君
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  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (科学技術振興に関する件)
 (男女共同参画社会の形成に関する件)
 (従軍慰安婦問題に関する件)
 (靖国神社合祀問題に関する件)
 (経済財政諮問会議の在り方に関する件)
 (新障害者基本計画に関する件)
 (監察医制度に関する件)
 (日本経済の現状に関する件)
 (鳥獣被害対策に関する件)

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○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子と申します。
 今日は官房長官に、男女共同参画の担当大臣としての質問を四問ばかり、短い時間でございますけれども、さしていただきたいと思います。
 それでは、まず一点目でございますけれども、男女共同参画社会基本法というものができまして三年たちます。それから、内閣主導の国政の推進というんでしょうか、男女共同参画もそうしたシステム、政策形成システムにのっとって内閣府の機能強化に合わせまして男女共同参画会議ができて、新しい組織的な枠組みになりまして一年半がたったわけでございます。
 男女共同参画社会基本法を作りますときには、私も総務委員会の中で参加さしていただきまして、民主党としては対案を出し、そして対案を審議していただく中で与野党通じましての前文を付けるという修正が成り立ちまして、関係者、当時、野中官房長官始め様々な方の御助力でもって女性の希望する法律ができたわけでございます。
 さて、この男女共同参画社会基本法の特徴点といいましょうか使命といいましょうか、男女平等法とか性差別禁止法と違って男女共同参画社会基本法という、こういう基本法を日本が選択したのは、性差別禁止法なんかは典型的にはやってはならないことを規定する。それに対してこちらの男女共同参画社会の方は、日本の社会の実態に照らして望ましいと考えられる法形式、やらなければいけないと、ここまで強くはありませんが、やることが望ましいことを規定するという、こういう法律の枠組みになっているわけでございます。端的に言えば、性別でなく個性で活躍できるような社会、ジェンダーフリーの社会を目指すということになりました。
 そうした基本理念が第四条で規定されまして、社会的な制度、慣行が個人の人生選択、ライフスタイルの選択に当たって中立的なものとなるように見直すと、これがこの法律の非常に大きな目玉となったわけでございます。
 釈迦に説法でございますが、少し復習さしていただきます。
 そして、この基本理念を実現するために、第十五条では、国の責務として男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすような施策、積極的に促進する施策だけではなくて影響を及ぼすような施策についても男女共同参画会議の方でちゃんと目配りすると、国としては配慮義務を持つということが規定され、更に十八条では、国の義務として、具体的に社会の制度、慣行が性に中立的であるかどうかについて影響調査をする、こういう枠組みになっているわけです。この点、私たち、大変期待したわけでございます。
 そして、その影響調査の中間報告というのが四月に出たわけでございます。女性のライフスタイルの選択等に中立的な税制、社会保障制度、雇用システムに関する中間報告というものが出たわけでございますが、実は女性の間では、一部にこの影響調査に対して大きな不満といいましょうか、期待したほどの成果が上がっていないのではないかという、こういう疑問が感じられているわけでございます。
 例えば、税につきましては配偶者控除、特別配偶者控除の廃止を明言はしておりますけれども、既に政府税調がこのほど配偶者特別控除の廃止を決定したわけでございますし、年金につきましても、従来から言われておりました三号被保険者の見直しの問題について何らかの、直接、間接の費用を徴収することと、例えば年金分割のような形で三号被保険者の年金権といいましょうか、女性の年金が確保されるようにという抽象的なことは言われているわけでございますが、この程度ですと、既に女性と年金の部会の方で検討が進んでいるというわけでございます。
 もう一つ、最後の雇用システムにつきましては、何らかの日本型均衡処遇ルールについて検討することが重要と、このように書かれているわけでございますが、既にこのことは二月の厚生労働省のパートタイム研究会の中間報告の中でもっと踏み込んだことが書かれているわけですね。
 何か、私は、影響調査、それから男女共同参画会議の方の勧告ができる、意見が言えるということ、それから、内閣主導の機能があるということから大きな期待を持ったわけでございますが、どちらかというと何か後追いのような気がするわけでございます。
 この中間報告につきましては、十二月に最終まとめをするということでございますけれど、十二月といえば、もう通常国会目の前であるわけでございます。もうちょっと、この男女共同参画社会基本法が目指した目的、それから内閣官房に寄せられた期待から考えますと、こういう影響調査の結果というものはもっと有効に機能させるべきではないかということが私の疑問です。
 そこで一問目は、男女共同参画社会基本法第四条、せっかくジェンダーフリーの社会を目指して制度、慣行について見直すと、この理念が盛られて、その施行、実施についても規定が盛られたにもかかわらず、これはさっぱり具体的な施策によって推進されていないのではないかというのが私の疑問点でございます。よろしくお願いいたします。官房長官に伺います。

○国務大臣(福田康夫君) お尋ねがございましたことはこの全体の取組のスピードの問題もあろうかと思いますけれども、まず、女性の就業を始めとするライフスタイルの選択に大きなかかわりを持ちます制度、慣行として、税制とか社会保障制度、また賃金制度等があるわけでございます。こういう制度、慣行の中には現在の状況に適合しないものとか女性の就業の妨げや男性の選択を狭めているというものもあることから、男女共同参画の観点から総合的に検討することが必要であると考えているわけであります。そのために、男女共同参画会議の影響調査専門調査会では、昨年五月から検討を行いまして、四月には中間的な報告を行ったわけでございます。この報告は、私から五月の経済財政諮問会議においても説明をいたしております。
 今後、専門調査会で国民からの意見も踏まえまして年内に報告を取りまとめる予定でございますが、いろいろ御指摘ございました。今申したように、経済財政諮問会議においても報告をしたものもございます。税制において配偶者特別控除をどうするかといったような問題、このこと一つにつきましても、やはりこれはいろいろな意見があるわけでございます。ですから、簡単に項目を挙げてそれでできるということではない、その辺はいろいろな意見を聞きながら調整をしていくということであります。
 しかしながら、今申し上げました、ほかのところでも検討しているというお話ございましたけれども、それはそうかもしれません。しかし、男女共同参画会議としてもこれを避けて通ることはできない課題だということでもってこの問題を取り上げておるわけでございまして、このスピードにつきましても、その項目ごとにスピードアップできるというものがあればそれはスピードアップするということは必要だろうし、その辺は私どもとしてもできるだけの努力はして前向きな施策にしてまいりたいと、このように思っておりますので、今後のこの影響調査専門調査会などの動向もよく見ていただきたいと思っております。

○川橋幸子君 スピードアップをしていただけるという御答弁ちょうだいしましたので、今の問題に関連して、パート労働の問題についてもう一点伺わせていただきたいと思います。
 先ほど、厚生労働省の方の研究会の意見書が二月に出されたと、中間まとめでございます。近々、七月後半には最終報告が取りまとめられると聞いているわけでございますが、私ども議会の方も、行政から上がってくるものを待つだけではなくて、政治主導と言われている現在の政治の在り方の中で、野党の議員連盟でパート労働者等の均等処遇を実現する議員連盟というものを立ち上げまして、先日、実は七月一日でございますが、シンポジウムを開きまして、このシンポジウムも、公労使の第一人者の方々においでいただいてシンポジウムを開くと。極端なものではございません、客観的に物事を把握する大変誠実、まじめなシンポジウムを開いた上で意見書を発表したわけでございます。
 官房長官にこの委員会の後でお時間取っていただけるということですので、そのときまた御説明したいと思いますが、実はもうちょっと早く御説明に上がりたかったんでございますが、御多忙ということで今日まで延びてまいりました。しかし、事務的にはその私どもの議連の要請は差し上げてございます。
 私どもの議連が何を要望したかといいますと、非常に私どもは、影響調査よりも一歩、二歩前に出て非常に分かりやすいものを出した、しかも大変ポイントをついたものを出したと自負しているところです。ちょっとこれは自慢が過ぎるかも分かりませんが、ごらんいただければお分かりいただけるかと思います。
 私どもはやはり、パート労働法ができて来年満十年でございます。パート労働法というのは、作ったときから三年目の見直し規定というものが置かれておりまして、日本のパート労働の抱える問題については必要なときに適切に見直すということになってきたわけでございますが、厚生労働省の方では、問題が難しかったのかも分かりませんけれども、検討、検討、検討を国会では答弁で繰り返すのみで、なかなか立法化に踏み込まなかったわけでございます。
 私どもは、六点提言しております。労働時間の違いを理由とする差別的取扱いを禁止すること。それから、有期契約を理由とする差別的取扱いを禁止すること。それから、働く人のライフスタイルに合わせて、フルタイム、パートタイム労働の双方向の転換ができるようにする。それから四点目といたしまして、官房長官、余りこういう情報はないかも分かりませんが、ヒアリングをしている間にこれは民間だけでの問題ではないということが非常によく分かってまいりました。公務員制度改革が言われておりますけれども、今、定員削減がぐっと掛けられている中で、むしろ臨時の職員が増えているわけでございます。公務パートの問題が非常に大きくなっているということから、そうした、以上申し上げたような点についての整備は民間のみならず公務部門についても講じてほしいということ。四点目ですね。五点目は、先ほども紹介いたしました、税制、厚生年金制度等の改正を提言し、最後に、ILO第百七十五号パート労働条約と、同じくILO第百十一号差別待遇条約の批准を早期に実施すること、実現すること。この六点を申し上げているわけでございます。
 是非、男女共同参画会議のメンバーの方々にこのような意思を、五十四名に及ぶ衆参の議員の、本当に幅広い野党の議員の統一した意見として出したことを御紹介いただきたいと思いますし、こうしたものを逆に男女共同参画会議の、その十二月ですか、お取りまとめる中でも御勘案いただきたいと。そして、関係大臣に対して、官房長官、男女共同参画担当大臣としてのリーダーシップを是非振るっていただきたいということを申し上げさせていただきまして、少々自慢が過ぎたかも分かりませんが、ですけれども自負しているものでございます。
 こうした議連の努力について、官房長官の方の受け止め方をお伺いさせていただきたいと思います。

○国務大臣(福田康夫君) 今日、この委員会の後でその意見書を拝見と申しますか、いただくことになっております。その前に感想を述べちゃいけませんから、それはそれで後にさせていただきます。
 いずれにしましても、この正社員とパートタイマーの均衡、これを考慮した適正な労働条件の確保とか雇用管理の改善を図るということは、これはもう大変重要な課題であると思います。現状は決していいと思っているわけでありません。ですから、男女共同参画基本計画におきましても、具体的な施策として、パートタイム労働政策の、労働対策ですね、の総合的な推進というものを盛り込んでおります。厚生省の方でも研究をされておるわけでありまして、報告が出されました。
 様々な角度からこれは検討していく必要があるだろうというふうに思っておりますので、今後とも、この参画会議の影響調査、監視等の機能を活用して関係施策の進捗状況を把握して十分にフォローしてまいりたい、そのように思っておるところであります。

○川橋幸子君 残る二問を四分間で質問しながら御答弁をちょうだいしたいと思いますので、まとめてお伺いさせていただきたいと思います。
 五月三十一日に、アフガニスタンの女性支援策について、これは官房長官が特にイニシアチブを発揮されまして、アフガンの女性支援についてその在り方を有識者に検討を依頼してまとめられたものでございます。私、これこそが男女共同参画会議の機能、内閣主導の機能ではないかと思います。大変、臨機応変、各省がやっていることを後から後追いするのではない、私はこれは大変評価するところでございます。しかし、少々疑問に思いましたのは、よくまとめてありますが、理想的な議論が、理想は高くて構わないですけれども、何か現場を少し飛び離れているような感じを持ちました。
 私ども国会議員も様々途上国の視察に参るわけでございますが、貧困という二文字が私が見た限りでは出てこないんですね。なぜ今貧困対策が非常に強調されるかといいますと、例の九月十一日のテロ攻撃以降、悪の枢軸発言もありまして、報復によって、あるいはこっちの味方に付かなければおまえは敵だというような軍事、力による平和ではなくて、むしろ貧困こそがテロを生む温床である、貧困に対して先進国はODAの面でしっかり重視すべきではないかという、そういう世界の世論があるわけでございます。
 例えば、三月にメキシコのモントレーというところで、UNDPが主体となった国連のといいますか先進国の会議がありました。開発会議というのがございました。そこでは、EUは何を打ち出したかというと、やっぱり貧困のためのODAを倍増する、それからアメリカの場合も、今までODAには大変消極的だったあのアメリカがODAにもやはり倍増するというような、非常に貧困対策のODAが強調されているわけです。そのときに、我が日本だけは一〇%削減なんですよね。財政上の理由から、外交上の戦略じゃなくて本当に国内事情から一〇%削減、それについてはODAの関係者、識者は非常に悩んでいるというか心配しているのが事実でございます。
 私も昨年、カンボジアに参りました。カンボジアの不安は、正にアフガンに集中するんじゃないかと。カンボジアだってちょっと数年前まではポル・ポト派による大変過去の重い歴史があり、そこに日本がPKOを出して評価され、明石さんが行かれ、そして日本政府もODAの面で支援をしたと。結局、そういうものは、私は持続的であって初めて効果を上げるということのように思います。
 私は、そこで官房長官にお伺いいたします。
 アフガン女性支援については今後どのようにフォローアップされるのでしょうか。本当に、一時的なものですぐ撤廃するだけでは相手国に打撃を与えるだけでございます。是非、そのフォローアップをしっかりやっていただきたいということと、それに関連して、途上国の貧困対策というのは非常に女性支援が大きいのです。水をくみに行ったり家畜の世話をやったり子供の世話をして、そのときに、女の子は男の子のために就学率が上がらないといいましょうか、非常に貧しい場合は売春、売春、エイズという貧困の連鎖が出てくるわけでございますね。そうした面に、むしろ男女共同参画会議の方からしっかり提言していただきたい。一〇%削減というのは途上国の女性支援の障害になるのではないか。持続的なODAの在り方については、むしろ小規模支援について量的な目標を男女共同参画会議から提言するぐらい、そのぐらいのことがあってはいいではないかと思います。
 官房長官、ちょっと私の質問が長くなりましたけれども、伝わったかと思いますので、それでは、短くていいお返事をちょうだいしたいと思います。

○国務大臣(福田康夫君) いいお返事になるかどうか、御期待に沿えるかどうか分かりませんが、アフガニスタンの女性支援につきましては、五月にこの懇談会でもって、アフガニスタンの女性支援に関する懇談会というものを立ち上げまして、報告書が提出されました。この中の三人の委員は、現地に赴いて、そして実情をつぶさに見て報告書を書いたと、こういうぐらいの真剣な取組をしていただいたわけでございまして、非常に具体的な提案だったというふうに思っております。
 すべての支援に女性、ジェンダーの視点を組み込むという観点から、政治、制度的枠組みなどの六つの重点分野と国内の取組について基本的な考え方とか支援策の方向性、具体的支援策が挙げられておるところでございます。
 この懇談会は報告書の提出後も引き続き開催しまして、国内における取組について検討を進めるとともに、アフガニスタンの情勢の変化に応じて、関係省庁・機関との連携の下、必要なフォローアップを実施するということにしております。提言をしたけれども実行しないのでは意味がないわけでありますので、これはしっかりと対応してまいりたい。
 特に、我が国はこの春、我が国において我が国が議長国となってアフガニスタンの支援会議をしたと、そういうこともございますので、このことについて、特にジェンダーの問題、また女性の置かれている環境の問題とか、いろいろ女性問題というのはあるようでございますので、そういう女性の視点から立った支援を、是非、支援会議の議長国としての責任を果たすという意味においても重点的に取り上げていかなければいけない。そういう意味で、各方面に働き掛けを行いながらこれを実施してまいるような体制づくりをしてまいりたいと思っております。
 それから、海外支援の関係で予算が一〇%削減を今年はされたということであります。これは財政上の理由ということではありますけれども、それは、確かに一〇%減ったということはありますけれども、問題は中身でございます。中身が、これが本当に有効なものでなければいけない、単に金額だけのことではないだろうと。一〇%削減したけれども、しかし、より効果の上がる方法を考えていかなければいけないということもございます。
 これは外務省に対する大きな課題だろうというように思っておりますので、これはこれでもって、その環境の中で最善を尽くしてもらうということになろうかと思います。しかし、日本のプレゼンスがそういうことによって低下するということは、これはやはり問題があろうかと思いますので、その点の配慮もしながら今後の実施を考えていかなければいけない、そう思っております。
 女性支援ということに関して申し上げれば、平成十一年度策定のODA中期政策におきまして、女性支援がその重点課題ということになっております。ですから、女性支援、また女性対策というものは、貧困対策というような開発途上国向けの支援と併せて、それと一緒になってきめ細かい援助をしていかなければいけない、そういうことでございますが、そういうようなこれまでの施策については各方面から非常に高い評価も得ているということでございます。ODA予算が削減された中でもこの点は配慮をしているところでございまして、そういうような観点から、今後もこの支援の充実化を図っていくということを考えておるわけでございます。